[グラマー#6]現在完了で日本語の感覚と違う2つの単語(現在完了+ yet, been)

文法

Has it stopped raining yet?

“yet”は「まだ」と「もう」の意味がある?

“yet”と言えばなじみ深い表現として”not yet”がある。学校で習うやつだ。
「まだ」という意味で覚えているが、”yet”の意味はそれだけじゃない。

Has it stopped raining yet?

上の例文を見てほしい。
訳すと、「雨はもう止んだ?」となるが、”yet”の意味は「まだ」ではなく「もう」だ。
これは初心者からすると反対の意味で使っているように見える。「もう」だったら”already”じゃないの?と思ってしまう。”yet”を使うなら「まだ雨はやんでないの?」と言うべきだろう、と。でも上の例文はまさにそういっているのだ!
英語の説明を見てみよう。

Yet = ‘until now’ and shows that the speaker is expecting something to happen. Use yet only in questions and negative sentences.
参照English Grammar in Use』 p.14

このように、”yet”には話し手がそれを予想していることを示唆している。例文でいうと「雨が止む」ことを予想しているのだ。だから”Has it stopped raining yet?”と言うとき、気持ちとしては「雨まだ止んでないの?」という意味で使っている。
英語では「雨はもう止んだ?」と言っても「雨はまだ止んでないの?」と言っても答え方は同じだ。止んでいればYESだし、止んでなければNO。だからこの形で”yet”を使っても違和感はない。

では「もう」という意味で使いたい時”yet”と”already”はどのように使い分ければいいのだろうか?
“already”の説明を見てみよう。

We use already to say that something happened sooner than expected.
参照English Grammar in Use』 p.14

“already”は予想よりも早くもうすでに完了している場合に使われる。なのでたいがいは肯定文で使われる。(疑問文で使われる場合もある)
例文を見てみよう。

・’Don’t forget to post the letter, will you?’ ‘I‘ve already posted it.’
(参照同上)

この例文は訊き手が予想しているよりも早く、手紙を出し終えていたということだ。
もう一つ例文を見てみよう。

・’What time is Mark leaving?’ ‘He‘s already gone.’
(参照同上)

こちらも訊き手が予想しているよりも早くMarkが帰ってしまっていたというニュアンスになる。

このように”yet”は訊き手がそれが起こることを予想しているイメージで、”already”は訊き手が予想しているよりも早くもうすでに終わっているイメージ。別の言い方をすると、”yet”を使うときはまだ結果を知らないイメージで、”already”を使うときはもうその結果を知っているイメージ
直訳的に「まだ=yet」「もう=already」と覚えてしまうと間違える可能性があるので、それぞれのイメージが身につくまで使って覚えよう。
また”already”が肯定文で使われやすく、”yet”が否定文と疑問文で使われることから、「“もう”は肯定文では”already”を使い、否定文と疑問文では”yet”にする」という覚え方もあるらしいが、”already”は疑問文でも使われることがあるためおすすめしない。こういう考え方だといつまでも日本語脳のままで「日本語で考える→翻訳する→英語を話す」のループを繰り返すことになるだろう。

“gone” と “been”

  • He has gone to Spain.
  • He has been to Spain.

上の2つの文の違いは何だろうか?
英語の説明を足してみよう。

  • He has gone to Spain.(= he is there now or on his way there)
  • He has been to Spain.(= he has now come back from Spain)

“gone”がまだスペインにいて”been”はもう帰ってきている。普通のbe動詞には帰ってくるという意味はないが(たとえば”He is in Spain.”はまだスペインにいて帰ってきていないが)be動詞を現在完了の”been”にすると帰ってきたという意味が加わる。転じて”been”は行ったことがあるという経験の意味でも使われる。

“gone”と”been”ははっきりした違いがあるので注意して使おう。

まとめ
“yet”は訊き手がそれが起こることを予想している(結果がまだわからない)イメージ
“already”は訊き手が予想しているよりも早くもうすでに終わっている(すでに結果を知っている)イメージ
“gone”はまだ出かけたまま
“been”はもう帰ってきている、あるいは行ったことがある

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