イタリアでは食べ物を盗んでも罰せられない?!イタリアの裁判所が出した意外な判決とは

リスニング
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無料のリスニング教材サイトBreaking News English(以下BNE) より”Food Theft“(食べ物泥棒)のお話をシェアします。リスニングの練習もできますが、ただお話を読むこともできます(日本語)。リスニングの練習をする場合、ネタバレしたくない場合は先にBNEの記事のリンクよりリスニングを開始してください。

“Food Theft” by Breaking News English

無料リスニングページのリンク先

 

Stealing food is not a crime, says Italian court
EnglishNewsLessons:Free26-Pagelessonplan/2-pagemini-lesson-FoodTheft-Handouts,onlineactivity,mp3...currentevents.

リスニングのレベル

レベル4 レベル5 レベル6

“Food Theft”の記事は3種類のレベルがあり、レベル5,6はより詳しい内容のニュースが聞けるようになっています。レベル4はレベル6を要約した形で書かれており、初中級者でも理解しやすいようになっています。ここではレベル4の内容を取り上げています。

 

“Food Theft”のためのボキャブラリー

Conviction (noun)

“a decision in a court of law that someone is guilty of a crime.” 参照 Longman dictionary

convinction【名詞】有罪判決

desperation (noun)

desperation (noun) = “the state of being desperate” 参照 Longman dictionary

desperate (adj) = “willing to do anything to change a very bad situation, and not caring about danger” 参照 Longman dictionary

 

disperation【名詞】切羽詰まった状態

desperate【形容詞】切羽詰まって

poverty (noun)

“the situation or experience of being poor” 参照 Longman dictionary

poverty 【名詞】貧困

shoplifting (noun)

“the crime of stealing things from shops” 参照 Longman dictionary

shoplifting 【名詞】万引き、窃盗

(リスニングの訳、コラムに続く)



飢えによる食べ物の盗みは違法ではない!

 

イタリアの裁判所は飢えのために食べ物を盗むのは違法ではないという判決を下しました。これはホームレスの男性が4.5ドル相当のチーズとソーセージを盗んだ罪で課せられた、禁固6か月と115ドルの罰金という有罪判決を覆すものです。彼の弁護士のアピールによって有罪判決そのものが覆されました。イタリアの裁判所はそのような切羽詰まった状態でわずかな食料を盗むことは犯罪ではないと言い渡しました。

人々はこの判決によってイタリアの貧困とホームレス問題に目を向けてもらえることを願っています。また人々は飢えのために万引きで捕まった人々が罰せられないことを望んでいます。ある弁護士は「この判決は、貧困のために行われた窃盗に対して、今後同じ様な結論を導く判例になるだろう。」と話しています。裁判所は「飢えをしのぐために行われたわずかな食料の窃盗は罰するべきではない」と言いました。イタリアの新聞社は「文明化した国では、誰も飢えによって死ぬべきではない」と語っています。

 

未来を見据えた心ある判決

 

たった4.5ドルのわずかな食料を盗んだだけで、禁固6か月と115ドルの罰金を払うというのはナンセンスだと思います。しかし罪を軽くするのではなく、有罪判決を覆し全く罰しないと決めることはかなり勇気ある行動のように感じました。きれいごとを言うのは簡単ですが実際に判例を作るというのは決して簡単なことではないでしょう。

僕がこの話で気になるのは、この無罪判決になったRoman Ostriakovさん(レベル6参照)がこの後どうしたかということです。無罪になって「なぁんだ、おなか減ったら店から盗りゃいいんだ」と言ってまた犯行を繰り返したのか、それとも「許してもらえるだなんて…。イタリアは何といい国だ。俺も頑張らにゃ」と何か解決策を模索し始めたんだろうか。

僕は、ローマンさんが選んだ4.5ドル分のチーズとソーセージというこのチョイスに遠慮が含まれているように感じます。僕だったら「どうせ罪を犯すなら腹いっぱい食べたい」と思うだろうし、きっと腹いっぱい食べてたら有罪判決だったでしょう。だからローマンさんは心優しい人なんじゃないかと思うわけです。

このようにちょっとした心遣いが心ある判決を生み、それがニュースとなって人々に広がっていくことはとても気持ちのよいことだと思います。万引き、窃盗がよいこととは決していえませんが、未来を見据えた心ある判例がひとつあることで、世界は飢餓のない平和な社会に一歩近づけたんじゃないんだろうかとふと思えたニュースでした。

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